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予定が変更になり、引っ越しをして初めて一日なんの用事もない休日です。
なのに、朝から会社から電話がある。
「アビさん、今日提出の書類出てないけど」
「……すいません、すっかり忘れてました」
幸いもう記入も済んでいて出すだけになっていたので代わりに提出してもらう。
起きちゃったからしょうがないので洗濯をして、掃除して、気づいたら午後でした。で、いつの間にか昼寝をする。気づいたら4時でした。まあもともと寝て過ごすつもりだったので良いんだけど、どうせ寝るなら床じゃなくベッドでねりゃ良かったよ。
頭痛い。ていうか、腹が痛い。
そんなわけで一日が何もせずに終わりました。
でもちょこっと原稿はやったよ。
褒めて。
んなわけで、続きに第4話。次からはあはーんな展開になりそうだな。
なのに、朝から会社から電話がある。
「アビさん、今日提出の書類出てないけど」
「……すいません、すっかり忘れてました」
幸いもう記入も済んでいて出すだけになっていたので代わりに提出してもらう。
起きちゃったからしょうがないので洗濯をして、掃除して、気づいたら午後でした。で、いつの間にか昼寝をする。気づいたら4時でした。まあもともと寝て過ごすつもりだったので良いんだけど、どうせ寝るなら床じゃなくベッドでねりゃ良かったよ。
頭痛い。ていうか、腹が痛い。
そんなわけで一日が何もせずに終わりました。
でもちょこっと原稿はやったよ。
褒めて。
んなわけで、続きに第4話。次からはあはーんな展開になりそうだな。
「マルコッ!」
ドッカンと、壊れるほどの勢いで開かれたドアの向こうに見えるのは仁王立ちしたエースの姿。
「どうした?」
ズカズカと部屋に入ってきたエースはそのまま半身を起こしたマルコの腰に馬乗りになった。
「もう三日だぞ!少しってどれくらいだよ!」
「……お前まだそんなコト……」
サッチの野郎、まだエースに説明してねえのか?
「約束!ちゃんと守れよ!」
むうっと頬を膨らませたエースが唸り声を上げた。毛を逆立てて威嚇する猫のようでなかなか愛らしいが、そんなことを言おうモンならの不機嫌の度合いが上がることは間違いないのでとりあえず口を噤む。
「サッチが言ってたぞ!」
「……なんて?」
「マルコがとぼけて逃げようとしてるって!」
………………アノヤロウ、ぶっ殺す。
止めろと言ったのになぜ煽る!
「まあ、落ち着け、エース。別に逃げようとしてるわけじゃねえよい」
「……」
じっとりと疑わしそうに睨むエースを「とりあえず退け」と降ろして、マルコは煙草を咥えた。火を点けて深々と吸い込んだ。
さて、どうする。
エースはベッドの上でおとなしくマルコの言葉を待っている。マルコは短くなった煙草を小卓の灰皿に押し付けた。
「エース、良く考えろ。自慰を覚えたてのガキじゃあるまいし、お前もう18だろう?その年でコウイウコトを野郎から教えてもらうってのはちょっとカッコ悪くねえか?」
「……」
ガキ、カッコワルイ。この言葉はエースにはかなり効果的な言葉であることをマルコは知っていた。年上ばかりの白ひげの船に乗り、更には隊長職についたエースは子供扱いを酷く嫌がる。
「……オネエチャンに教えてもらうのはカッコ悪くねえのかよ」
「お前の年なら当り前だよい。俺だってサッチだって、若い頃は失敗だってしたモンだ。ベテランの姉さんに手ほどきしてもらう方がお前だっていいだろう」
「……マルコも失敗したのか」
「まあ、なぁ……」
「どんな?」
エースの言葉にマルコは苦笑した。小首を傾げて聞く顔には、嫌みや揶いの気配はなく、本当にただ興味があるだけらしい。
「お前なァ……それを聞くのはマナー違反ってもんだよい」
「海賊にマナーもクソもあるかよ」
それはそうだが。
「勘弁してくれ。なあ、エース。なんだってそんなにいろいろ聞きたがるんだよい」
元より好奇心旺盛なガキではあるが、色ごとについてエースがこんなに興味を示すのは珍しい。
「どうせ直に島に着く。イイ娼妓見つけて手ほどきしてもらえ」
「俺はマルコに教えてもらいてえんだ」
「なんで」
「巧いんだろ?」
「だからそれはサッチが勝手に言ってるだけだよい」
「サッチだけじゃねえもん。みんな言ってるぜ?」
「………………?みんな?」
「うん。メシん時聞いたら、みんな言ってた」
ニカッと悪気のかけらもない笑顔を見せながらエースが言う。
「メシ時に、みんなに、聞いたのか」
「うん」
マルコは頭を抱えて呻いた。
どうやら敵はサッチだけではなくなったらしい。悪ふざけが好物の連中が山ほど乗り込んでいる海賊船だ。面白がってエースを嗾けたに違いない。
マルコがエースを気に入っていることを知っている隊長たちなら尚の事。
「エース」
「なんだ?」
「良く考えろよい。俺がお前にベッドの上の技を教えるとして、どうやって教えるんだ?ん?女を買って、ヤッてみせりゃいいのか?」
「いや……それは……」
そんなの見せられても、困る。覗きをするシュミはない。
「じゃあどうする」
「どうするって……」
「な?こういうことは教えようがねえんだよい」
わざとらしいまでに優しい口調でマルコはそう言い、ポン、とエースの肩を叩いた。
「俺だって別に誰に教わったわけじゃねえ。なに、お前は器用だし、女にも優しい。あと二年もすりゃ女どもを骨抜きにするくらいわけねえよい」
「……」
上目遣いでマルコを見ているエースの顔つきに、マルコは「後ひと押し」と更に言葉を紡ぐ。
「娼妓にヘタクソって言われたわけじゃねえんだろ?お前は若ぇし顔だってまあ海賊にしちゃ可愛い方だ」
「か、可愛いってなんだ!」
俺は男だぞ!とムクレたエースにマルコが肩を竦めた。
「若いうちは女に可愛いって言われた方がいい時もあるよい。可愛い人ね、なんて言われるのはイイ男の証明だ」
「そ、そうなのか?」
エースはマルコの言葉を聞いて何やら考え込んでいる。頑固ではあるが基本的には素直な男だ。もう大丈夫だろう、とマルコはホッと息を吐いた。
「まあそういうことだから、あとは島に着いたら……」
「わかった!」
エースが突然顔を上げた。満面の笑みに、マルコの脳裏にふと不安が過る。
「別に女とヤってるとこなんか見る必要ねぇよ」
「あ?……うん?」
「俺にやって見せてくれればいいんだ!」
あまりの衝撃的な発言に、マルコは思わずベッドから転げ落ちた。
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