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銀魂アニメがなんか微妙に沖土だった。なんだ、あの乙女。あのアニメスタッフはいつもギリギリで勝負してくるから恐ろしい。拍手!

ファイルを整理しようとしてみたんですが、そしたら書きなぐりのSSを発見。もう少し長くしてUPしようかとも思ったんだけど、話を広げるほどのモノじゃないのでこっちに載せてみた。
髪を結ぶとか髪を切るという行為は色っぽいと思うのよ。


赤い糸

「何をしてるんだ?」
「ほぁ?」
 寄港準備の為に篭っていた船倉から四時間ぶりに甲板に出てきた副船長は、目の前で行われている行為に眉を顰めた。
「見りゃ判るだろ?」
 甲板に引っ張り出された樽に腰掛け、片手に鋏を持ったシャンクスの周りには紅い髪が散らばっている。
「……自分で切ってるのか?」
「おう」
「だからいつもガタガタなのか……」
 もともとシャンクスは身だしなみなど気にしない。何処に行くにもシャツとブリーチにサンダル履きで通す。髪型を気にかけているとは思っていなかったが、まさか自分でザクザク切っているとは。
「誰かに切ってもらえばいいだろうに」
「苦手なんだよ」
「ああ……なるほど」
 それにしたってこの海賊団の名前になっている赤髪が、こうも適当に切られているというのは微妙な気分になる。
 ジャキ、と鋏の音がする度に甲板に落ちる紅い糸。
「せめて鏡を見たらどうなんだ?」
「めんどくせえ」
「……」
 ジャキ。
 また一房、甲板に落ちる。
「オマエだって苦手だろ?」
「まあ、な」
 シャンクスはふるふると頭を振って残った髪を落とす。それからニヤッと笑ってベックマンに手を伸ばした。
「切ってやろうか?」
 黒髪を引っ張る。
「遠慮する」
 ベックマンはざんばらに切られた赤い髪に触れた。
「酷いな」
「そうか?」
 軽く髪を梳くとパラパラと短い髪が落ちる。猫のように目を細めたシャンクスが言う。
「じゃあ、次はオマエが切ってくれよ」
「……ああ」
「だから、オマエのは俺が切ってやるよ」
「…………遠慮する」
「何でだよ!」
 頬を膨らませたシャンクスにベックマンが言う。
「だってアンタ、俺の髪が好きなんだろう?」
「……!」
 ポン、と傍らに放り出されていた麦わらを硬直しているシャンクスの頭に乗せ、ベックマンは笑った。

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